様々な伝説が残る、山口県の温泉。その一部をご紹介します!

[川棚温泉]青龍伝説
今からおよそ1400年前、欽明天皇の時代、この北浦地方一帯に大きな地震が起こり、
川棚の一大沼地に住んでいた沼地の主である青龍が地震のために死にました。
里人たちは、青龍の死を哀れに思い青龍権現として神に祀り、青龍の霊を慰めるため、神前で太鼓を打ち鳴らしました。すると不思議なことに、青龍の住んでいた跡から温泉がこんこんと湧き出しました。

[俵山温泉]白猿伝説
今から約1100年前、地元の猟師が獲物を見つけて矢を放ったのですが、逃してしまいました。
しばらくして白い猿が水溜りで傷を洗っていたので、び矢を放ったところ、たちまち白い猿の姿は消えて、そこに薬師如来様が現れました。
白い猿は、薬師如来様の化身でした。その水溜りは温泉でした。それ以来、薬師如来様を温泉の守護神としてまつり、病気や怪我で温泉にこられる方々がお参りされています。

[長門湯本温泉]音信川恋伝説
長門湯本温泉は今からおよそ570年前に、大寧寺の定庵禅師が住吉大明神からのお告げによって発見されたといわれており、古い歴史をもつ温泉です。
清流の音信川(おとずれがわ)には、お茶屋で働く湯女(ゆな)の口に出せぬ秘めたる思い「川の流れよこの気持ち、どうかあの人に届けておくれ」と文にしたため流した「音言」、
その伝説が川の由来となり、湯本温泉は「恋人たちの聖地」としてこの切ない伝説を現代に蘇らせました。

[湯田温泉]白狐伝説
開湯は約800年前といわれています。
権現山の麓のお寺にあった小さな池に、けがをした一匹の白狐が毎晩傷ついた足をつけていました。その様子を眺めていた和尚さんが池の水をすくってみるとほんのり温かい。さらに深く掘ってみたところ、大量の湯がこんこんと湧き出て、同時に薬師如来の金像も現れました。
喜んだ和尚さんは、薬師如来を安置し、湯田温泉を鎮護する仏としました。それ以来、湯田の町を温泉の町として繁栄させ続けたのです。